海へフルショット


 

 


前編



昔、海の近くに住んでいた
。その頃はゴルフに夢中でケンタッキーフライドチキンに行くにも、本屋さんに行く時も、歯医者さんに行く時さえアイアンを手にしていた。

ところで歯医者を、どうして歯医者さんと呼ぶのだろうまあそれはいいとして、夜などクラブを持って家の近所を散歩していると、”君、手に持っているのは何かな?”なんて職務質問を受けた事も何度かあります。

で、海の近くなら当然砂浜があり、砂浜といえば友人達とバンカーショット練習。確かにバンカーショットの感じは味わえますが、実際は砂の質が荒く柔らか過ぎてあまり皆さんにお勧めではありません。

バンカーショットに飽きて、友人が”海に向かってボールを打とうと”言い出しましたが、周りには海辺を散歩するカップルや犬の散歩なんかしてる人も結構いるので、”人に当たったりしたら、危ないぞ”と私は友人に言い、そして”じゃ、さっそく始めようと友人たちをけしかけました。

夏の日の夕方、波の音、少しのギャラリーの前仲間4人で”海へフルショット”を開始。ボールが風に持って行かれ多少右や左に曲がっても、それを上まわる開放感がたまらない。約220ヤード程前方にある防波堤に向かって”よし!ワンONだ”と競いながら夕日に染まった海と空に向かいボールを打ちました。


後編

暗くなり始め空腹を感じ、晩飯を、食べに行きました。それは、夜9:00ぐらいです。晩飯の後再び海辺に帰ってきた私たちは、もうちょっとボールを打ってみたいという事で話がまとまり、”夜の海へのフルショット”を始めました。

ティーアップしたボールを打つのも月明かりが頼りで、周りは暗くて人の気配は感じるが姿など確認できません。当然、波打ち際から40ヤード程離れてボールを打っていた私達には、少し下りになっている前方の波打ち際までは見えません。夢中でボールを打っていると、近くにいた学生風の数人が打ち上げ花火を始めました。

”夏の海辺で花火か!いいねー”と友人たちと眺めてうっとり。真直ぐに上がらない打ち上げ花火が低いライナーで波打ち際に飛んで行き、そこでバーンと破裂しました。一瞬そこら辺りが明るく照らされ、身の毛が凍る光景が目に飛び込んできました。なんと、波打ち際はカップルで一杯です。

”緊急避難”と私が言い、思い切り走ってその場を立ち去ったのは言うまでもありませんが、あれだけの人がいて打ったボールが人に当たらなかった幸運に、手を合わせ夜空に向かい、

ありがとう、神様。ありがとう天国のおじいちゃん。これからは、嫌いな玉ねぎも無理して食べますと反省とお礼をいいました。みなさんも、気をつけて。”甘い言葉と、波打ち際のカップル”。

 

 


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更新日
2018/03/04